国際派女優 / 岩瀬 顕子さん
「何者かになる」魅力から歩みはじめた役者への道
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2023.3.15 Interview
主宰する劇団「日穏-bion-」での演技やテレビドラマの脚本など、幅広い分野で活躍している岩瀬顕子さん。
近年はリドリー・スコット製作総指揮のサスペンス映画『アースクエイクバード』(2019年)や
ジョニー・デップ主演の社会派映画『MINAMATA-ミナマタ-』(2020年)にも出演し、
国際派女優としての人気も高まっています。
そんな岩瀬さんに、演技で心がけていることやモノに対する考えについて伺いました。
「小学校のとき、先生から『虐待』とも言えるような精神的・身体的ダメージを受け、人間不信に陥ったことがありました。そうした頃、よく観るようになったのが映画。嫌なことを忘れられるし、現実ではない世界に浸れるし……そのときはただ憧れただったのですけども、物語を見せてくれる作品に強く惹かれていったんです。また、アメリカの大学へ進学したときにもひとつのきっかけがありました。ボランティアでメキシコの児童養護施設に滞在していた際、流しの劇団によるミュージカルを見たこどもたちが満面の笑みを浮かべていたんです。なんだか、自分の童心ともリンクした想いがして。帰国後は一般企業で働き始めましたが、役者に対する想いが湧き上がったのとオフィスワークに向いていない自分に気づいて半年で辞めてしまい、老舗劇団の養成所に入ることにしたんです」
「変な話、『私を見て!』という熱意はあまりないんです。もっと持つべきかもしれないくらい(笑)。それよりも、私自身が別の何者かになる、誰かの人生を演じるという感覚がいいようもないくらい好きなんです。芝居をはじめてからわかったことなんですけど、演技ってものすごくセラピー的な要素があるんですよ。人に向かって怒りをぶつけたり泣き叫んだりって、普段あんまりしませんよね? 芝居の中なら、それが演技ではあっても、感情を吐き出せる。心に溜まったわだかまりが浄化されていくというか、ストレス発散になるというか(笑)。小さい頃に受けたトラウマを解消するすべを、演技に求めていたのかもしれません」
「まだまだ『有名女優』という立場ではありませんが、お陰さまでたくさんの作品に出させていただきました。ちょっと偉そうに聞こえるかもしれませんけど、必死に努力してきたというより楽しいから続けてきただけですね。たとえば映画『MINAMATA-ミナマタ-』のような海外のコンテンツは、日本と違って、どんな小さな役もオーディションで決まります。そこで認めてもらえて、『やってきたことは間違えていなかったんだな~』としみじみ思いました。これからも演技力を磨いて、演じたい役、みなさんに伝えたい作品に携わり続けていきたいと思っています」
「強い関心を持っているからです。大学生のときから第二次世界大戦の戦場を実際に体験した方々の話を聞きに行き、後世に残す活動を行っていました。高齢になっていらっしゃいますから、話を聞ける機会は実に貴重で、私たちのように戦争を体験していない世代にきちんと伝えていかなければなりません。他の社会問題についても、同じような問題意識が根底にあります。そのうえで芝居というのは、人に伝えるツールとして非常に有効だと考えています。普通に生活していた人々が問題の渦中に突然巻き込まれ、どのような目に遭ってしまうのか。感情を伴った物語として見せることで、より身近に感じてもらえるのではないかと思っています。一方で、好きで足を運んでいただく公演ですから、笑える部分もたくさんあるんですよ。難しい社会問題をテーマに据えながらも、笑って泣けて、最後は温かい気持ちになって劇場を後にできる作品を心がけて作っています」
「嘘をつかないことです。感情も無理やりではなく、ちゃんと自然に出るように。『日穏-bion-』の舞台は200人程度の小劇場が主なので、映像作品と変わらないリアルなお芝居をしています。それに現実の社会問題をベースにしている場合は、モデルになった人や場所のもとを訪れ、できるだけリアルな体験を得るようにしています。もちろん芝居にはフィクションの部分も脚色もありますが、モデルの理解は嘘のない感情表現を演じるのに欠かせません」
「はい。私はそれが、『演技すること』かなと思っています。たとえ『自分とは違う』と感じる人物でも、人間ですからどこかでリンクする部分はあるわけで、そこを膨らませることもあります。極悪非道の殺人鬼役が回ってきたら、人を殺した経験はなくとも、殺したい気持ちはわかったりするじゃないですか。明治の毒婦と呼ばれた死刑囚『高橋お伝』役を演じたときは、殺人行為に至るまでの不幸な身の上に想いを募らせて、ため息ばかりついていました(笑)。プライベートまで役になりきるタイプではありませんが、引きずってしまうところもありますね」
「それが、実は全然ないんですよね。ブランドにあまり価値を感じていなくて、とにかく実用性重視。物持ちがいいから、いまだに高校生のときに母が編んでくれたセーターを着ています(笑)。カバンや財布も実用性が大事。その文脈でいえば、手触りを重視していますね。いつも身近にあるモノだからこそ、触っていて気持ちよかったり、ぬくもりを感じたりできるといいじゃないですか。やっぱりストレスを持ちたくないですから」
「役作りのとき、外見から入ることも多いですね。衣装を変える、髪型を変える……そして普段の持ち物を変える。そういうところに、持ち主の人格や感情もあらわれますから。職業柄つい人間観察をする癖があり、お財布や名刺入れなど、何を持っているか見ちゃいますね。私の場合は、10万円でも1000円でも自分が気に入るかどうかを大切にしていますけど、そういうところにも私のパーソナルな部分が出ていると思います」
「肌触りがものすごくよくて、一目惚れしました(笑)。手に触れるたび、心地よい気分にさせてくれるのは、とてもすばらしいと感じています。財布に採用されたハニーセル構造はカードを取り出しやすくて、それもまた気持ちいいし、名刺入れもつい人に自慢したくなるような美しさ。私の手にとてもいい感じでフィットする商品で、これからもずっと使い続けていくと思います」
演劇、テレビ、映画、ラジオなど幅広いメディアにて活動する。劇団「日穏 -bion -」を主宰。藤本ケイの別名義でフリーアナウンサーや国際イベントの司会を務める。とちぎ未来大使でもある。
日穏-bion-公演「オミソ」
(企画・脚本:岩瀬顕子 演出:たんじだいご)
⚫︎2023年8月25日(金)~9月3日(日) 赤坂レッドシアター
⚫︎9月8日(金)・9日(土) 栃木県総合文化センター
⚫︎9月15日(金)・16日(土) 富山県民小劇場
映画「シェアの法則」(脚本:岩瀬顕子 監督:久万真路)
2023年9月公開予定
出演:小野武彦、貫地谷しほり、宮崎美子、浅香航大、岩瀬顕子 ほか
Text : Hiroyuki Yokoyama
Edit : FIRST
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